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HVAC 冷水システム向けバタフライバルブ:隔離・バランス・制御

執筆者

アレン・チャン · シニアアプリケーションエンジニア、LAUX VALVE

公開日: Jun 07, 202612 分で読了
HVAC 冷水システム向けバタフライバルブ:隔離・バランス・制御

冷凍機プラント、ルーフトップ、空調機械室のどこに入っても、最も目にする弁はバタフライバルブです — 冷水・水系 HVAC では、機器の隔離、設計 ΔT を保つための流量バランス、コイルや冷凍機で流量制御が必要な箇所の調節という 3 つの役目を、安価かつ省スペースでこなすからです。本ガイドは、HVAC 仕様で重要な点を扱います:冷水・グリコール用のシート・本体材、隔離用とデッドエンド用で異なる本体形状、バタフライが良いバランス/制御弁になる場面とならない場面、そしてポンプ動力と騒音を抑える選定フロー。

水系システムでの 3 つの役割

隔離

隔離

  • 冷凍機・ポンプ・空調機・コイルを保守のため遮断
  • 気密 EPDM シートが HVAC 圧力で完全密封
  • ラグ/溝付きなら系統稼働のまま片側を取り外せる
バランス調整

バランス調整

  • 一度設定して分岐間で流量を配分し設計 ΔT を保持
  • 短絡や近接分岐への過流を防止
  • ギア操作器と角度のメモリストップ併用が最適
調節(モジュレーション)制御

調節(モジュレーション)制御

  • アクチュエータ+ポジショナでコイルや冷凍機の流量を制御
  • 大口径に好適、制御域はおよそ開度 30~70°
  • 小型端末では制御グローブ/PICV の方が制御性が良いことが多い

HVAC 水用の材料と本体形状

代表的な HVAC バタフライバルブの構成 — プロジェクト仕様で確認してください。
部位冷水/温水グリコール(≤50%)備考
シートEPDMEPDM油系熱媒体に NBR/EPDM 不可
本体エポキシ被覆球状黒鉛鋳鉄エポキシ被覆球状黒鉛鋳鉄最も経済的な HVAC 本体
ディスクステンレス(CF8M)またはアルミ青銅ステンレス(CF8M)またはアルミ青銅アルミ青銅は開放冷却水で防汚性
本体形状ウエハ/ラグ/溝付きウエハ/ラグ/溝付き機器隔離・デッドエンドにはラグ/溝付き
認証飲料水接続時は NSF/ANSI 61MSS SP-67 / API 609プロジェクトと地域規格に合わせる

HVAC バタフライバルブの選定

用途に合う弁までの 5 ステップ
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    1. 弁の役目は何か?

    隔離・バランス・調節制御のどれか? 隔離とバランスはバタフライに好適。小型端末の精密な調節制御には、制御グローブ弁や圧力独立型制御弁(PICV)を検討。

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    2. 保守のため片側を隔離する必要があるか?

    ループの残りが稼働中に冷凍機・ポンプ・コイルを取り外す必要があるなら、ラグまたは溝付き本体を使用。ウエハ弁は継手を開けるのに全停止を強います。機器接続部ではほぼ常にラグ/溝付きが正解。

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    3. 流体と温度を確認

    水・温水・グリコール:EPDM シートが正解で約 120 °C まで対応。媒体が油系熱媒体なら EPDM は膨潤して破損 — FKM へ切替。ディスク材が水質に適合するか確認(開放冷却水にはアルミ青銅)。

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    4. 配管口径でなく流量で選定

    バランス/制御弁は、設計流量が開度約 60~70% で起こるよう Cv/Kv から選定し、既定で配管口径にしないこと。配管口径の制御弁はほぼ閉のまま、絞りが効かず、居室のある建物でキャビテーション音のリスク。

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    5. 操作器と付属品を指定

    小型隔離にはレバー、バランス調整にはメモリストップ付きギア、BMS 連動の調節制御には電動/空気圧アクチュエータ+ポジショナ。一目で開閉を確認すべき場所には位置表示器を追加。

Ductile-iron EPDM-seated butterfly valves prepared for a chilled-water HVAC project
Lug-type butterfly valve isolating a chiller branch in a hydronic plant room

よくある質問

なぜ EPDM が冷水 HVAC の標準シートなのですか?

EPDM は水・温水・蒸気・グリコール溶液に最適 — まさに水系 HVAC の流体 — でオゾンや候候にも強く、屋上・屋外設備の弁で重要です。HVAC 圧力で気密にシールし、約 120 °C まで対応、冷水やほとんどの温水を十分上回ります。決して破ってはならない唯一の規則は、EPDM は油・炭化水素で膨潤・破損すること。ループが水やグリコールでなく油系熱媒体を使うなら、シートを FKM(バイトン)へ。

バタフライバルブをバランス弁として使えますか?

はい、特に大きな分岐で。メモリ(リミット)ストップ付きギア操作器のバタフライは、実用的で低コストなバランス弁になります — 試運転時に角度を一度設定して設計流量を出し、以後はメモリストップがその設定を開閉サイクルを通して保持します。正確な検証には、校正済み圧力測定ポートや別の流量計と組み合わせます。ただし小型端末分岐では、専用バランス弁や PICV の方が、閉側付近で動くバタフライより細かく再現性ある制御を得られることが多いです。

冷凍機やポンプの接続部にはどの本体形状を使うべき?

ラグまたは溝付き本体を使います。機器接続部では、その一台 — 冷凍機・ポンプ・コイル — をほぼ常に隔離し、ループの残りを稼働させたまま取り外し・整備する必要があります。ラグ弁は機器フランジに独立してボルト留めされ片側を開けられ、溝付き弁はカップリングで保持され弁を据えたまま下流管を外せます。ウエハ弁は両フランジを貫くボルトの締付力のみで保持されるため、継手を外すにはループ全停止が必要でデッドエンドにも使えず — 機器直近では誤った選択です。

HVAC バタフライバルブはポンプ動力を大きく増やしますか?

強く絞るか過小選定した場合のみです。全開のバタフライは小さく予測可能な圧力損失を加えるだけで、周囲のコイル・冷凍機・継手よりはるかに小さく、隔離弁としてはエネルギー影響は無視できます。エネルギーの代償は、配管口径で選定した制御/バランス弁をほぼ閉で運転する使い方から生じます — ポンプが毎時間打ち勝つべき大きな連続損失を作ります。制御/バランス弁は Cv/Kv から応答性の高い 50~70% 域で動くよう選定し、隔離弁は全開に保てば、ポンプ動力は低く保てます。

参考文献・関連資料

  1. ASHRAE Handbook — HVAC Systems and Equipment(水系設計)
  2. MSS SP-67 — バタフライバルブ(Manufacturers Standardization Society)
  3. NSF/ANSI 61 — 飲料水システム部品
  4. CIBSE Commissioning Code W — 水配分システム(バランス調整)
  5. API Standard 609 — バタフライバルブ(American Petroleum Institute)
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